岡山晴れの国ぐらし

移住者インタビュー

横山 弘毅さん

教育DXを軸に地方と子どもたちの未来を拓きたい!

高梁市GIGAスクールサポーター、高梁市学校連携コーディネーター、高梁100challenge代表 横山 弘毅さん

プロフィール

神奈川県出身
大学卒業後、2007年、オンライン教育サービスを手掛ける東京のベンチャー企業に参画
同社役員を退任し、2020年に高梁市へIターン移住
教育DXを軸に、人口減少や地方課題を解決するモデルを創出しようと挑戦中
家族構成は、妻(高梁市地域おこし協力隊)と子ども1人(移住時は夫婦のみ)

移住先

高梁市

オンライン教育は本格化したが…

移住前は東京を拠点に、オンライン教育サービスのベンチャー企業の役員を務めたり、民間や行政、教育関係のNPOなど教育業界の垣根を超えたコミュニティーをつくったりして、オンラインによる都市と地方の教育格差解消に取り組んでいました。
コロナ禍を契機に各地でオンライン教育が本格化、前職の会社の事業も急成長を遂げましたが、サービスを提供する地方のことを知るために中山間地域に足を運び、現地の様子を見るうちに、地方の衰退が加速することに危機感を抱いていました。
そんな時、知人の紹介で高梁市のGIGAスクール構想に協力する機会を得て、やるからにはどっぷり地域に入り込みたいと考えるように。
最初は、高梁市どころか岡山県のこともほとんど知らないような状態でしたが、「とりあえず一度行ってみよう」と夫婦で訪問し市内を散策するうち、古き良き町並みと古民家、そして何よりも子どもたちの生き生きとした表情に魅せられ、夫婦で移住を決心したのです。
その時に出合った「駄菓子店」として地域に愛されてきた築100年の空き店舗を買い取り、クラウドファインディングで資金を集めてセルフリノベーションしました。現在は、学びと地域の交流拠点として活用するなど、地域の人々が集う場となっています。


まずは現場で汗をかく

市内には高校が5校、さらに大学もあり、もっと連携すれば強みが生かせるのではと考えました。他の地域でオンライン授業の導入に携わった経験があったため、アドバイザー的な関わり方も選択肢としてはありましたが、たまに行って外からアドバイスするだけではあまり効果がないし、高梁市の学校や地域の状況を見渡すとプレイヤーの少なさが課題に思えたので、まずは自らプレイヤーとして動き、現場で汗をかき、先生や児童生徒に寄り添いながら教育DX推進を始めました。
ウェブ会議システムによる海外との交流授業をはじめ、教育版マインクラフトの活用など、実践例が増えると現場も自主的に動き始め、「こういうこともできるんじゃないか」と前向きに挑戦する雰囲気に変わっていきました。
現在では、高梁市の学校ICT活用は全国平均を上回り、岡山県内トップクラスに躍進しました。

まずは現場で汗をかく

学校の枠を超えた支援を展開

さらに、学校の枠を超えて、地域と連携した活動を支援できるよう「高梁100challenge」という団体を立ち上げました。中高生や大学生などを対象に、まちづくりで活躍している人の話が聞けるワークショップを開催したり、「こういうことをやってみたい」というアイデアが出てきたらそれを形にするサポートをしたり、人同士をつなげて新たなプロジェクトが生まれるきっかけをつくる場づくりをしたりしながら、高梁の活性化を目指しています。
高梁の中高生の中には、「地元には何もない」っていう子もいますが、気付いていない地域資源がたくさんあるので、それを生かして高梁ならではの新しいことに挑戦してほしいです。
オンラインが普及し、授業などのインプット的なことは都会に行かなくても地方でもできるようになってきているので、今後はフィールドで実践していくアウトプットの価値が高まっていくと感じています。
この自治体の規模だからできることもたくさんあるので、教育現場と協力しながら質の高い学びを創り出し、高梁が盛り上がるように挑戦し続けていきたいです。

学校の枠を超えた支援を展開

地域で何ができるか「ギブ」の視点を

ギブが先かテイクが先かの話になりますが、「こういうサービスがあるから」「こういう条件がいいから」というテイクの視点ではなく、まずは自分がその地域で何ができるのかというギブの視点で考えてみることが大事なのではないでしょうか。
地域に対するリスペクトの気持ちを忘れずに、自分の今までの経験も組み合わせながら、「自分がつくる楽しみ」をぜひ見つけてほしいです。

地域で何ができるか「ギブ」の視点を