岡山晴れの国ぐらし

移住者インタビュー

宮本 和浩さん

野菜嫌いな人にもおいしいと思ってもらえる野菜を作りたい!

「ねこ農園」園主 宮本 和浩さん

プロフィール

大阪府出身
大学卒業後、大手総合スーパーで衣料品・アパレル担当として勤務
元々野菜は苦手だったが、ホテルで食べた野菜に感動し、就農を決意
2018年に総社市へIターン移住し、地元の農業法人で栽培方法を学び、2021年に「ねこ農園」として独立
ズッキーニや大根、ニンジンなどを栽培するほか、放置竹林対策として竹パウダーを製造

移住先

総社市

「おいしい」野菜との出合い

実は、元々野菜はあまり好きではなかったのですが、ある日、ホテルの朝食で出てきた野菜スティックを食べてみたらとてもおいしかったんです。
野菜ソムリエが農家から直接買い付けた野菜で、大根はすごくみずみずしくて甘くて、人参もセリ科の香りはあるけどえぐみがなく、最も感動したのはパプリカで、生で食べてあんなに甘いとは思いませんでした。
早速野菜に関心を持ち、いろんなお店を巡って野菜を買って試してみたのですが、なかなかあの感動がよみがえるようなおいしい野菜には巡り合えず、なぜ同じ野菜なのにこんなに味が変わるんだろう?って興味を持ったんです。
そこで、自分が感動できるような野菜を作って、私みたいに野菜が嫌いな人に、野菜って本当はおいしいんだよってことを伝えたいと思ったのが、就農を志すきっかけでした。


就農に向けたステップ

当時は埼玉にいたのですが、就農を視野に入れて農家さんを巡ったり、東京で開催される就農セミナーに参加したりして、どんな作物を作りたいのか考えました。
漠然と有機栽培に興味がありましたが、情報を集めていくうちに自分にはやっぱり野菜が向いているのかなと。
また、いきなり個人で就農するのはリスクが高いと考えていたので、農業法人へ就職し、3~5年程度勉強して独立することを目指しました。
実家が大阪なので、有機栽培に取り組んでいる会社を西日本で探した結果、総社市の農業法人に就職が決まり、移住することになりました。
私の場合、30歳になり転職するなら今かなと思っていたところ、転勤の話が出て、半年先には会社を辞めるという決断をしたため、あまり時間がなかったこと、また就農できる会社に就職してから就農を目指したいと考えていたこともあり、自治体の支援制度は利用しませんでしたが、準備時間があって、作りたい作物が決まっている場合は、県の研修制度やサポートを受けながら就農に取り組むのもおススメです。

就農に向けたステップ

趣味は「農業」です!

今思えば、心の原風景に小さい頃に過ごした田舎があって、自然に触れ合う仕事をしたいという思いがずっとあったのかなと。
今では農業が趣味と言えるくらい、自分のやりたいことを仕事にできて本当に農業を選んでよかったと思っています。日没が早い時期は、作業時間が減るのが悔しいぐらいです。
ただ、生き物同士のコミュニケーションなので、思うように育ってくれないのは難しいところです。
水やりの回数や肥料の選択での判断ミスが植物の将来を変えてしまうので…。
過去に同じ事例があれば周りの農家さんに情報共有してもらえるのですが、初めてのケースも多いので、毎年失敗しながら勉強しています。
でも、過去の失敗から学んだことを生かした取組が結果につながったときの喜びは何事にも代え難いですね。
失敗も多いですが、ポジティブで楽観主義なので、ダメでも次頑張ればいいと思えるし、何よりも自分がやりたいことをやっているのでモチベーションは下がらないですね。

趣味は「農業」です!

竹パウダーで放置竹林を減らしたい

近くにある山の竹を伐採し、発酵させて竹パウダーを作っています。
竹は使い道がなくて困っている地区の皆さんから提供してもらい、それをパウダーにして、野菜を作るときに活用することで地産地消のサイクルが生まれています。
収益があるだけでなく、放置竹林対策にもつながりますし、将来的には事業化できたらと考えています。

竹パウダーで放置竹林を減らしたい

野菜のおいしさを伝える場をつくりたい

今は作った野菜をスーパーの産直コーナーなどで販売していますが、将来的には自分で野菜のおいしさを直接伝えることのできるレストランのような場をつくりたいと考えています。
6次化できれば雇用を生み出すことができ、さらに地域課題である耕作放棄地を畑として請け負うことができて、野菜の収穫量や竹パウダーの利用を増やすことができる。
そうすれば、さらに雇用が生まれ、若い人も来てくれて地域を盛り上げることができると考えています。
いずれは海外の人たちを受け入れて、ノウハウをそれぞれの国に持ち帰ってもらい、現地でビジネスを拡大してもらえるような研修の場もつくっていければと思っています。