岡山晴れの国ぐらし

移住者インタビュー

大森 哉絵 さん

赤磐市だからつくれた、子育て中でも「音楽を再開できる場所」。

赤磐市民吹奏楽団「あかいわWIND」団長 大森 哉絵 さん

プロフィール

宮崎県出身
転勤で大阪、長野、広島などに移り住んだ後、兵庫県神戸市から岡山市へ引越し
結婚を機に、2020年、夫の実家がある赤磐市へJターン移住
現在は、中高生のキャリア教育支援に携わりながら、子育て世代の仲間と共に「音楽を再開できる場所」として市民吹奏楽団を立ち上げ活動中
家族構成は、夫と子ども1人(移住時は夫婦のみ)

移住先

赤磐市

自分のキャリアを振り返って…

大学卒業後、大阪で接客業に就いていましたが、自分のこれまでのキャリアを振り返ったときに、「自分が本当にしたいことはなんだろう?」と考えるようになりました。
それをきっかけに若い人たちの教育に関われるような仕事に興味を持ち、岡山へ転勤したときに、若者のキャリア教育に取り組むNPO法人「だっぴ」のことを知り、ちょうど求人が出ていたこともあって転職しました。
「だっぴ」では、若い人が将来納得のいくキャリア選択ができるようサポートしたいという思いから、若者と大人が働き方や生き方などをテーマに自由に話し合うキャリア教育プログラムのコーディネートに携わっています。
中高生と地域の人が交流する機会を設けることで、地元に愛着や関心を抱き、自分の将来を考えるきっかけにしてもらいたいと考えています。
岡山に来た当初は知り合いもほとんどいない状態でしたが、「だっぴ」の仕事を通して自然と県内各地にネットワークが広がり、その後、結婚を機に夫の実家がある赤磐市へ移住することになりました。


地域に見守られながら子育て

妊娠中や出産後、いろいろと不安がある中で、市の保健師や愛育委員の方から電話や訪問などサポートがあり、しっかり相談に乗ってもらえたことが心のゆとりにつながりました。
出産後は地域の方からお下がりのおもちゃをもらったり、散歩中に気さくに話し掛けていただいたりすることも。
子どもの誕生日に近所の方がクッキーを焼いてくださるなど、子育ての大変さを理解して温かく見守ってもらえていると感じています。
桃の産地なので桃をいただくことも多いのですが、息子は生まれたときからとてもおいしい果物をたくさん食べていて、本当に恵まれた環境だなと。
身近に図書館や公園もあり子どもとも出かけやすいし、岡山市も近いので大きな買い物がしたいときにも便利。車の運転に慣れてからは行動範囲も広がった一方、市内に人が集まったり多世代が交流できたりする場所が少ないと感じていました。
私自身、出産してから趣味の吹奏楽をお休み中だったので、子育てしながら続けられる方法はないかなと考えるようになったんです。

地域に見守られながら子育て

子育て中でも「音楽を再開できる場所」をつくりたい

そんな時、仕事で知り合った市の職員の方の紹介で「あかいわミライFARM」(市内の若者を対象にした魅力あるまちづくりのためのワークショップ企画)に参加することになり、そこで偶然、昔の吹奏楽仲間と再会したんです。「託児付きの吹奏楽団をつくりたい」という話をしたら賛同してくれて、周りの人たちにも背中を押してもらったことで、「赤磐市に吹奏楽団をつくります!」と決意表明。
練習中の託児サービスには市の制度を活用し、子育て中の人も参加しやすい環境を整えたらどんどんメンバーも集まって、今では市内を中心に中学生から80代の方まで30人以上が所属し、多世代が交流する場にもなっています。
改めて、子育て中の方をはじめ、たくさんの人が私と同じように音楽を再開する場所を求めていたんだなと実感しました。
私のような外から来た人間が何かやりたいと言ったときに応援してくれる方がたくさんいて、本当に周りの方々の協力があったからこそ実現できたのだと思います。
市内のイベントなどに呼んでいただく機会も増えて、メンバーのお子さんたちと一緒に演奏することもあります。息子も音楽を流すとうれしそうに手拍子をしてくれるようになりました。

子育て中でも「音楽を再開できる場所」をつくりたい

赤磐市を代表するような吹奏楽団を目指して

あかいわWINDの活動を長く続けてたくさんの人に知ってもらい、赤磐市を代表するような吹奏楽団を目指していきたいです。
市内には生活する上で不便はないけれど、音楽や芸術を楽しめるような施設が少ないので、私たちの活動がきっかけでホールができるとか、市の文化が深まっていくことに貢献できればと思っています。
そして、私のように子育てや生活の変化などの理由で音楽を諦めざるを得なかった人たちが、「音楽を再開できる場所」であり続けたいですね。
また、活動を通して、地域の子どもたちに楽しんでいる大人の姿や温かさを伝えられたらいいなと思います。

赤磐市を代表するような吹奏楽団を目指して