岡山晴れの国ぐらし

移住者インタビュー

菅原 直樹さん

大好きな演劇を通じて県北の芸術文化を盛り上げたい!

介護福祉士、劇団OiBokkeShi主宰 菅原 直樹さん

プロフィール

栃木県出身
関東で俳優として劇団に所属しながら、介護の仕事をしていたが、子どもが生まれた翌月に東日本大震災があり、移住を決意
自分の住みたいところで子育てしたいと考え、和気町へIターン移住
その後仕事の関係で奈義町へ引っ越し
現在は劇団OiBokkeShiの座長として地域の方々と一緒に介護や医療、防災と演劇を結び付けながら劇団の活動に取り組んでいる
2019年「平成30年度(第69回)芸術選奨文部科学大臣新人賞(芸術振興部門)」を受賞

移住先

和気町(2012年)→奈義町(2018年)

自分の住みたいところで子育てを

当時千葉県に住んでいたのですが、子どもが生まれた翌月に東日本大震災が発生しました。
それが生き方を考えるきっかけになり、自分の住みたいところで子育てをしたいという気持ちが強くなりました。
岡山県を選んだのは、災害が少なく、気候も穏やかで、自然が豊かで便利な田舎がよかったからです。
実は、岡山県のことはほとんど知らなかったのですが、大好きなミュージシャンの出身地ということでいいイメージはありました。
最初は和気町に移住したのですが、その後仕事の関係で2018年に奈義町に引っ越しました。
妻も移住したいという気持ちが強かったので、仕事が見つかって半年ぐらいで移住ということになりました。
現在住んでいる奈義町は人口が約5,700人程度の小さな町で、顔が見える関係が心地よいですね。
子育て世帯の交流の場がたくさんあることや、子育て支援制度が充実していることなどはもちろんですが、何より子どもが3人くらいいても何とかなるかなって気持ちにさせてくれる安心感があると思います。

自分の住みたいところで子育てを

劇団OiBokkeShiの立ち上げ

移住した当初は仕事中心の生活でしたが、徐々に大好きな演劇を再開したくなりました。
ちょうどその時、和気町の商店街の方々も地域を盛り上げようとされていて、その方たちと私の想いが重なって劇団OiBokkeShiを結成することになりました。
奈義町に引っ越した後も、和気町でつながった方たちと交流をし、活動を共にしています。
奈義町のメンバーは認知症の当事者の方、介護をされている方、障害がある若者など本当にさまざまで、演劇の経験がない方も多く参加されています。
演劇を知らなかった方たちも、介護をテーマにしたワークショップに参加して、演劇をとても楽しんでくれています。
大好きな演劇を通して地域を盛り上げていきたいですね。

劇団OiBokkeShiの立ち上げ

看板俳優・岡田さんとの出会い

看板俳優の岡田さんは、97歳(2023年現在)になる方で、長年認知症の家族を在宅で介護していました。
9年前にワークショップに参加してくれたのをきっかけに声を掛けたら、定年退職後に憧れの映画俳優を目指していたほど演劇に対して情熱的な方で、喜んで参加してくれました。
岡田さんとの出会いで、私の演劇との関わり方も大きく変わり、それまでは主に俳優として活動していたのですが、劇作と演出をするようになりました。
そこから、演劇が地域との架け橋となること、介護や医療、防災など社会課題解決のツールとしても貢献できるんだと、演劇の力を感じるようになりました。
演出を考える中で、私の仕事である介護と演劇は相性がいいことにも気付きました。
演劇は生身の人間とのコミュニケーションがとても重要になるのですが、演劇を通じて認知症の方との関わりを考える、そういう時に演劇の手法が生かせるのではないかと考え、認知症ケアをテーマにしたワークショップを行っています。

看板俳優・岡田さんとの出会い

演劇を通して地域を盛り上げたい

OiBokkeShiの活動はこれからもずっと続けていきたいと思います。
演劇の文化は東京が圧倒的に盛んですが、仲間が集まれば演劇はどこでもできる、そう考えると地域は関係ないですね。
私が住んでいる奈義町には、江戸時代から伝わる「横仙歌舞伎(よこせんかぶき)」という伝統芸能があって、演劇に対してすごく理解がありますし、仲間が集まって、自分で芝居をつくれるのはすごく楽しいです。
地域の皆さんに手伝ってもらいながら、活動の輪を広げて、県全体の芸術文化の発展に貢献できたらいいなと思います。