
和紙や田舎暮らしの魅力をもっといろんな人に届けたい!
神代和紙職人 仲田 紗らささん
- プロフィール
京都府出身
就職をきっかけに東京や福岡などさまざまな土地を転居していたが、祖母の住む新見市へ2015年に夫婦で移住
現在は新見の手漉き和紙である「神代(こうじろ)和紙」の保存活動に取り組んでいる
- 移住先
新見市
豊かな自然と快適な暮らしを求めて
京都で生まれ育ち、就職をきっかけに東京や福岡などさまざまな土地に住みました。旅行をするのも好きだったので日本のあちこちを旅し、北海道や小笠原などいろいろな土地を見て知る中で、自分が本当に住みたい場所は自然が豊かな場所だと気づきました。
さらに東日本大震災のニュースを見聞きし「なにかあっても生きていける場所」に暮らしたいという気持ちが強く芽生えました。
祖母が住んでいる新見市は、田んぼや山、川などの自然が豊かで薪風呂もあり、まさに自給自足にぴったり。子どもの頃何度か遊びに行って土地柄も分かっていたので、移住する時の不安も少なかったです。移住してから「都会に比べてなにもないでしょう」と地元の人に言われることもありましたが、人が多すぎず落ち着いている環境の方が私は心地よいタイプなので、まさに自分の理想通りの土地だと感じています。

移住した後の縁が繋いだ「紙漉き」中心の生活
現在は「紙漉き」を中心に、空いた時間はアルバイトなどをして暮らしています。実は移住前は「紙漉き」をやろうと考えていませんでした。80歳のおばあさんが一人紙漉きをしているのを見かけて手伝うようになったことが今の職業と向き合うきっかけでした。
新見市は自然が豊かで和紙の材料になる楮(こうぞ)や三椏(みつまた)などの植物が豊富です。私が作っている「神代(こうじろ)和紙」はこの植物を手作業で漉いて和紙にしていきます。温かみがあり味のある和紙はほんの少しの差が仕上がりにつながるので、その奥深さが面白いです。豊かな自然と綺麗な水がなければ紙漉きは成立しないので、ここだからこそできる仕事だと思います。
一方で、夫は「地域おこし協力隊」に参加し、林業に従事しました。移住する時に気になるのはやはり仕事があるかどうか。その点私たちは周りの人の助けや制度に恵まれ、安定した生活基盤を築けたと思います。薪風呂で使う薪割りは、今も夫に担当してもらっています。

田舎暮らし=のんびりとは限らない!ギャップも新鮮
環境は静かで落ち着いていて都会のせわしなさはありません。なので、のんびりした暮らしを想像する人が多いかもしれませんが、実際に暮らすと意外とやることが多い印象です。家と家の距離も離れているので、ちょっとした移動にも時間がかかります。
あとは近所の草刈りや寄合の会議、地域のお祭りなど地元の行事が日常生活の一部になっています。特に「寄合」は近所の人々との繋がりを深める重要な機会です。顔を合わせて交流することで気軽に相談ができるようになり、暮らしの不安や困難も自然と解消されていきます。
私はそういう繋がりは面白いと思って楽しんでいますが、それがあまり得意でない人はちょっと難しいかもしれませんね。けれど自分で考えて動くことが多い分、やりがいも感じるし毎日が充実しています。

紙漉きや新見の魅力を次世代にも知ってもらえたら
移住した当初は、右も左も分からない状態でした。けれど周りの人に親切に教えてもらうことで紙漉きや地域の文化が暮らしの中に息づく、充実した日々を楽しんでいます。今は生活に必要な物もインターネットで手に入るため、ときどき街に出る程度で欲しい物も不自由なく購入できるし不便は感じていません。
今後は、どっぷりと魅力にハマった“紙漉き”の魅力をもっと多くの人に伝えたいと思っています。最近は、地域のお祭りで巫女が奉納する「浦安の舞」も教えてもらいました。地域に根ざす文化も趣味として楽しみながらやりたいことを続けていき、これからの暮らしをさらに充実させたいと思っています。

