
ここは「ものづくり」と「自分らしい暮らし」が叶う場所
mizutoi + mizuito経営 早水 博之さん、佳名子さん
- プロフィール
令和5年、コロナ禍を機に東京から矢掛町へ夫婦で移住
空き家をリノベーションし、アトリエ兼ショップをオープン
奥様は洋服のお直し、ご主人は革や布を使用したオリジナルアイテムを製作販売している
- 移住先
矢掛町
コロナ禍を機に現実味が増した、移住という選択肢
移住前は東京に住んでおり、いつかはもっと自然に近い土地へ移住したいと考えていました。10年くらいは先のことかなと思っていましたが、コロナ禍をきっかけに真剣に考え始めました。
生活必需品がスーパーからなくなったり、緊急事態宣言によって、住宅街に多くの人が溢れていたりする状況を目の当たりにして、東京の人の多さを改めて実感しました。もし、流通が止まったりしたら、今の生活はあっという間に成り立たなくなるんだなと。一方で、庭で少しだけですが野菜を育てていたことが、その時の自分に大きな安心感を与えてもくれて、「食べ物を育てるって生きる力になるんだな」と感じたことから、都会から離れて暮らすことを現実的に考えるようになりました。
当時から自営業でお直し屋をしていたので、家探しは自宅とお店兼アトリエの両方を確保できることや畑ができる自然に囲まれた環境、隣家とほどよく距離があり音を気にせず作業できる場所などを考えていました。あとは空が広く見渡せて日当たりの良い、できれば平屋がいいな、と思っていました。

入口から充実していた、移住支援
私(博之さん)の地元は倉敷市児島で、岡山県は災害が少なくて、気候も穏やかな土地だということは知っていたので、まずは岡山県から探し始めました。途中で他県も調べてみましたが、岡山県の移住に関する情報はアクセスしやすくて、移住支援制度も充実しているように感じました。
早速オンラインでの移住相談会に参加してみて、どんな地域があるのか大まかに把握できたので、それを頼りに不動産情報(住まいる岡山)を毎日見たり、ときどきまとまった休みを取って、物件候補を内見したり、各地域の雰囲気を体感しに岡山へ足を運びました。コロナ禍だったこともあり東京からなかなか足を運べない中で、地域ごとの特徴を自治体の移住担当の方から直接聞いたり、車で案内してもらえたりしたことは本当にありがたかったです。
矢掛町のことは、当初は全く知りませんでしたが、現在の中古の平屋物件に出会えて、望んでいた環境ともピッタリだったので、この町との良い縁に恵まれて良かったなと思っています。実際に暮らしてみても、ゆったりとした穏やかな風土で、急な坂道もほとんどなくほぼ平坦なので、自転車でもあちこち行ける町のコンパクトさも気に入っています。

移住者に嬉しい空き家改修へのサポート
現在暮らしている家は、空き家だった物件を自分たちの暮らしや仕事のスタイルに合わせてリノベーションしました。
ふたりとも、使えるものは直して使うことが好きなので、地元の大工さんと相談しながら床や天井を張り替えてもらって、自分たちでできることは手を動かして家を整えていきました。矢掛町の、空き家の改修や新しくお店を始めるための補助金制度を利用させてもらえたことは、ここでのスタートを切るための大きな助けになりました。
家とお店作りがひと段落してからは、畑や農機具を近所の方に貸してもらって、自分のペースで畑仕事も楽しんでいます。体や手を使って暮らしを作っていけることが、今とても楽しいです。

東京と岡山、移住で芽生えた新しい感覚
移住する前は、初めての田舎暮らしに多少の心配はありましたが、ご近所さんにも恵まれて、気にかけてもらったり教えてもらったりすることばかりです。神社のしめ縄作りなど都会ではできないことも体験でき、地域の草刈りや川掃除、お祭りのお神輿の修繕も自分たちでやると聞いて、最初はびっくりしました。「自分たちの暮らしを自分たちの力で整える」ということを皆がやっていて、東京にいた頃とはまた違った地域への愛着が湧いています。
他には、都会では催しや映画、美術館、ライブなど興味のあることが溢れていたのに、そのことに慣れすぎて結局行かずじまいなことが大半でしたが、こちらへ来てからは、行きたいところへちゃんと行くようになりました。
移動手段が電車や自転車から、車中心に変わったことも、作っていたものや直すものに対して目線がちょっと変わるというか、思いがけない変化があるなと感じてます。

これから、この場所で
岡山に移住して、お店とアトリエの空間を両方作ることが叶いました。
今はクラフトフェアなどのイベントをきっかけにお店を知ってもらう段階ですが、実際にお店に足を運んでもらえる機会も少しずつ増えてきています。
東京にいた頃や街中のお店とは違って、通りすがりやフラッと来てもらえることはほぼなくて、はるばる目指して来てもらうような場所ではありますが、道中の景色や、この土地の空気感も丸ごと楽しんでもらえるよう、作ることも、ここで生活することも、まずは私たち自身がここに居る時間を大事にしながら、新しい局面もおもしろがってやっていきたいなと思っています。

