
先輩移住者の体験談
【子育て】自然いっぱいの冒険遊び場で理想の子育て~備前市・清家さん~
清家さん

- 移住形態:
- Iターン
- 移住時期:
- 平成22年
- 前住所:
- 東京都
- 現住所:
- 備前市
きっかけ
最初は、夫の仕事の都合で娘を連れて岡山市に来ました。その後に、東日本大震災があって、子どもには何があっても力強く生きていける力を身につけてほしいし、例えば食べるものを自分たちで作るとか、地に足の着いた暮らしがしたいと思うようになりました。それも、中途半端な田舎じゃなくて、暮らし全体が自然に囲まれたところで。そんなとき、偶然「備前プレーパーク!森の冒険ひみつ基地」の代表の方と出会って、「うちに遊びにおいでよ」と誘ってくださったんです。
移住先の決め手
正直、震災直後は心が折れていました。家族やお付き合いのあった方々がすごく心配で落ち込んでいたし、自分自身もふるさとを失ったような気持ちでした。そんな気持ちを受け止めて、励ましてくださったのが備前市の地域の方々でした。皆さんと触れ合うと、いつも元気をもらいました。
また、海が見える場所だったということも決め手でした。夫も私も、これまでの人生の中で、何らかの形で海にかかわってきました。山に住んでいながら海が見えるこの場所が、私たちの原風景とぴったり重なったんです。子どもの遊び場をきっかけに訪れたこのまちですが、すごく不思議な縁を感じてここに移り住みたいと思いました。
移住に向けた準備
自分たちで家を建てたり買ったりするなんてとても無理だと思っていたので、最初は賃貸の空き家物件を探しました。でも、使われていない家はあっても、中が片付いていなかったり、大幅な修繕が必要だったりといろいろな事情があって、なかなか貸していただくまではいたりませんでした。そんなとき、もしかしたら土地を貸してくださるかもしれないという方を紹介していただいたんです。はじめて会ったのに、その方はすごく親身に相談に乗ってくださって、家を建てるということが選択肢として出てきました。それから分譲地の購入なども検討しましたが、プレーパークに近く、海が見える最高のロケーションに惹かれ、その方から土地を購入して家を建てることを決めました。
ただ、下水は市が工事をしてくれましたが、上水は自分たちで引かなければなりませんでした。土地代や家の建築費以外にも結構お金が必要になることが分かりました。
移住して良かったこと
とにかく、子どもの手を放して自由に遊ばせることができるということが何より幸せです。都会では、道路に出ると車や自転車が怖くて子どもの手をぎゅっと握っていたけど、ここに来て子どもが思うままに野の花を摘んで歩く姿にとても感動しました。ここでは良くも悪くも地域の方に全部見られています。いつも声をかけてもらえる。私たちにはそれが心地良く感じました。よく田舎に行くと近所付き合いが多くて大変だと言うけれど、それが本来の人の暮らしなんじゃないかなと思うことがすごくあります。マンションで暮らしていたときと比べて、どんなに子育てが楽になったことか。まちに子育てを助けていただいていると思います。例えば、近所の家のお子さんが遊びに来て、娘と一緒に遊んでくれるので家事がはかどります。夕方の時間がすごく楽になりました。子どもを預かってもらったり、野菜を分けていただいたり、実際お世話になっているし、精神的にも常に支えてもらっているという安心感があります。
また、備前市には備前焼の窯元があって、ひとつのことに気持ちや命をかけて暮らしている文化的な人がいます。何でもいいからひとつ、子どもが本物に触れられる機会があるというのがいいですね。備前市は資源のある豊かなまちだなと思います。
備前プレ-パ-ク!森の冒険ひみつ基地について
地域の地主さんから自然豊かな里山を借り受け、「NPO法人備前プレ-パ-クの会」が管理・運営している遊び場です。現在は子育て支援の場にもなっているので、赤ちゃんでも過ごせるお部屋もあります。
実は私は若い時にプレ-パ-クに関わる仕事をしていたのですが、備前のプレーパークは日本一!と思うくらいすばらしい環境です。ここを目指して移住してくる人が沢山いて、地域の空き家が出るのを待っている人がいるくらいなんですよ!
これから移住を考えている方へ
田舎は生活インフラなどの面ではやっぱり不便です。でも、それを乗り越えるくらいの資源があります。便利さじゃない価値観というか、自然とか歴史とか、備前市には本物の豊かさが溢れています。厳しい言い方をすると、都会的な豊かさを求める方には向いてないかもしれません。お給料は低いしどこに行くにも距離があります。でも、自分から動いて働きかけることで得られるものはたくさんあります。そういった豊かなものに子どもが触れられることが財産だし、私たちはそれが気に入っています。
また、小さいまちだからこそ行政が近くて、こういう子育て環境を求めて移住してきたと言うと、すごく理解をしてくれて、応援してくれる。地域の方々も含め、人があったかいというか、このまちで豊かな子ども時代を過ごして、このまちが好きだという方がほんとに多くて、うらやましいし、わが子もそんな風に育ってほしいと思いますね。
※この内容は、平成25年9月に行ったインタビューを元に編集し作成しています。