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先輩移住者の体験談

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【就農】起業として選んだ農業~新見市・中川さん~

中川浩志さん

中川浩志さん
移住形態:
Iターン
移住時期:
平成18年(当時39歳)
前住所:
大阪府豊中市
現住所:
新見市
現在のお仕事:
ピオーネ栽培(55a)
きっかけ

大阪でアパレル関係の仕事をしていましたが、上司・部下の人間関係が難しかったこともあり、独立したいと思うようになりました。

会社を起業したいとも思いましたが、資金面などのハードルが高くて...、そんな中、農業も起業のひとつだよと知人から言われたのが就農を志したきっかけです。

移住先の決定理由

大阪市内のハローワークに就農希望者の相談コーナーがありました。そこで岡山県は新規就農に積極的でサポートも充実していると紹介されたのが、岡山県での就農を考えるようになったきっかけです。もちろん、岡山県は大阪から近いというのもありますし、温暖で農業に適している環境なのかなと。あと親戚のつてもあったので九州も考えたのですが、九州は台風が多いイメージがあったので岡山県の方がリスクが少ないんじゃないか。そんなことで、岡山県に絞って就農を考えました。

岡山県といえば、モモとマスカットのイメージがあったので、マスカットの栽培を考え船穂町(現倉敷市)の就農相談にいったのですが、マスカットは栽培技術が難しく、ハウスなどの初期投資が多いことなどがわかりました。

中川浩志さん ピオーネなら、比較的投資が少なく済み、栽培技術が確立されていることを知り、ピオーネの栽培に絞って岡山県内の産地の情報を収集しました。

ピオーネ産地のなかで新見市を選択したのは、新規就農者の募集制度があったことはもちろんですが、市場での評価が高いことと、栽培組織の結束が強く販売ルートがしっかりしていて農業に専念できる環境だなと思ったからです。農業をしながら、販路の開拓もというのはしんどいですし、農業も手探りの状態の中、営業もするというのはとても考えられなかったですから。

平成16年頃から2年ほど相談会に参加したり現地に行ったりして、移住、就農に関する準備をしたのち、岡山県で1か月の「農業体験研修」を受講し、平成19年4月から2年間の「農業実務研修」に入りました。

移住してからの生活について

2年間の「農業実務研修」は、その地域で就農するための実務的な研修で、毎月研修費が支給されます。住居は周辺に賃貸物件がないため、当初、教職員住宅に入る話がありましたが、地元の農業委員さんのお世話で、地元の空き家と農地を借りることができました。

空き家は、この地区にも、たくさんありますが、すぐに借りられる空き家は聞いたことがありません。「誰にでも貸します。」という空き家は少ないんじゃないでしょうか。

ピオーネは、植えてから収穫するまでに3から4年かかりますが、植えた直後はそれほど手がかかりません。研修期間中に受入農家で栽培技術を習いながら、自分のほ場にも植え付けをし、研修後の就農の準備を進めていきました。

中川浩志さん 現在は55aの農地を借り栽培しています。最初に借りた25a分は自分で苗を植え、施設を整備しました。現在、新見へ移り住んで4年目を迎え、ようやく収穫が出来るようになりました。翌年に10a規模拡大し、また、幸運なことに、今年、すぐに収穫が可能なピオーネの成園を20a借りることができ、ようやく私の経営も軌道に乗り始めました。

栽培には、ほ場の賃貸料や施設の整備の他にも様々な経費が必要で、豊永地区では畑灌(営農用の灌水施設)をほ場に新たに引くには10万円程度の加入金が必要ですし、使用料が3万円/年必要です。農業関係の融資制度もあるのですが、市内に保証人が必要なため利用できませんでした。

栽培自体は、栽培方法がある程度確立されていることもあり、技術的に特に難しいとは思いませんが、とにかく忙しいです。特に5月中旬から7月中旬の2ヶ月は、この間の頑張りで品質が大きく違ってきますから特に忙しいです。冬は冬で土づくり用にカヤを刈ったり、落ち葉を集めたりの作業があり、まとまった農閑期というのはないですね。年中、農作業があります。

まだ忙しくて田舎らしい遊びができませんが、落ち着いたら釣りでも楽しみたいなと思います。

移住してよかったこと、困ったこと

中川浩志さん こちらに来て仕事勤めのストレスから解放されたのが良かったことですね。田舎は田舎の人間関係や近所付き合いがありますがストレスではないです。

普段の近所付き合いのほか、お祭りや消防団、冠婚葬祭など、いろいろな地区の行事へも参加しています。

水道は湧水を利用しているのですが、送水管が壊れて水が出なかったことがありました。ご近所に簡易水道組合があるのですが途中参加が認められなかったため、数日、水が出ない状態を余儀なくされました。この時ばかりは、田舎の閉鎖性に困惑しましたが、その水道も近所の水道業者の方にボランティアで直してもらいました。住まいもそうですが、何かと田舎ならではの人間関係や近所の方のお世話になっています。

農閑期にはピオーネの棚張りや融雪剤の散布などのアルバイトもしていますが、これも近所の方に紹介してもらいました。田舎で農業をしながらの副業は、時間的、時期的な制約もありなかなか探すのが難しいのですが、こうして紹介してもらって出荷期以外に現金収入が得られるのは助かりますね。

豊永には私の他にも9軒ほど、Iターンで就農された家族があります。戸数が増えてきたので全員で集まるのはなかなか難しくなってきたのですが、同じ年頃の子どもがいることもあり、Iターン家族同士の付き合いもありますよ。

困りごとというか、心配事は、農地の賃貸が15年契約なので、更新してもらえるかが心配ですね。

家族の様子について

妻と小学生の子どもがいて3人暮らしです。移住について特に反対はされませんでした。ただこちらに来て、妻は虫が苦手なのでムカデなどの虫が多いことには閉口していますね。

雪が積もることや、買い物に苦労することは、ある程度覚悟して来ましたし、それを特に不便とも感じないです。ただ田舎ぐらしに自動車は必要ですね。妻が車の免許を持っていないので、買い物などは送り迎えをしています。

また、子どもは子どもで、田舎ぐらしを楽しんでいるようです。小学校は近くにあったのですが統廃合で廃校となり、今はスクールバスで学校に通っています。

これから移住を考えている方へ

中川浩志さん 農業は、何事も自分でやらなければ気の済まない方には向いているんじゃないでしょうか。逆にすぐに人に頼る人は向いていないと思います。会社などの組織では自分がしなくても、だれか他の人がカバーしてくれますが、農業は自分でしないと誰も代わりをしてはくれません。あと。近所づきあいをしたくないという方も向いていないかなと思います。

田舎ぐらしをしたい方は、それぞれ何か目的があると思います。自分のしたいことが出来るかどうか、自分の足で動いて、目で見て、聞いて歩くことが事前に必要だと思います。

※この内容は、平成22年6月に行ったインタビューを元に編集し作成しています。